AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G

常に期待通りの仕事をしてくれる職人のようなレンズ

Good

  • 開放からシャープでF1.8の明るさを存分に活かせる
  • 接写能力が高い(最短撮影距離25cmまで寄れる)
  • 素晴らしいボケ味
  • 安定した光学性能で使いやすい(歪曲、色収差、逆光耐性など)
  • 軽量なので携帯しやすい

Bad

  • 開放の周辺減光がやや大きい

コメント

広角レンズをいろいろ試したくて手にした一本。
描写力と使い勝手に優れている上にコストパフォーマンスも高いお値打ちレンズ。


描写の傾向

非常にクリアで透明感を感じるヌケの良い描写。
開放からすでにかなりシャープな写りだが、絞れば更に締まった描写となり、F4くらいまで絞ったところで隅々までしっかりとした解像力を発揮。遠景描写にも優れる。

広角なのに柔らかく美しいボケ味も特筆もの。
開放で寄れば背景を完全に溶かしてしまうような表現もでき、開放バカになるのが楽しい。

等倍で舐めるように見れば周辺は色収差が見られ、解像も中央に比べればわずかに甘いが、それらは鑑賞サイズではほぼ感じられないほど軽微なもの。歪曲も良く抑えられており、かなり安定した性能を持っている。

開放の周辺減光はやや大きく時に気になるが、それが逆にプラスの表現になることもあり、良くも悪くも大口径レンズらしい描写といえる。
二段絞ればおおむね解消するので、この手のレンズとしては普通と言えるかもしれない。

逆光に対してはフレーム内に強い光源がある場合はゴーストが色濃く出るほかフレアも出ることがあるが、通常の逆光では何も問題がなく、気になる頻度も少ないので十分に強いと言っていいだろう。
ナノクリスタルコートの成果だろうか。

DXでは周辺が切り捨てられるので光量落ちを含めて非の打ち所のない描写となる。


使い勝手

28mmは超広角としては少々物足りないと感じる時もあるが、開けた場所を見渡したときの視界と一致する自然な画角で、スナップなどにも好適の使い勝手。
AF速度や精度も問題なく、テンポ良く撮影を楽しめる。

短い最短撮影距離を活かして被写体に迫れば広角マクロ的なクローズアップ表現となり、絞りを開けることで大きなボケを作ることも容易。
しかもボケに癖のない美しいボケ味なので、背景がうるさくなることを心配する必要がない。
M/Aモード対応なのでMFでのピント微調整もスムーズにできる。

開放から高い性能を持っているため、シャッタースピードを稼ぐ目的で絞りを開けることも可。手ブレ補正は付いていないが暗所での撮影にも十分対応することができる。

DXで使ったときの換算約42mmの広めの標準レンズの画角となる。
これはこれで使いやすく、DXユーザーにもかなりオススメ。


携帯性

F1.8というスペックのためサイズは小さくないが、まだ携帯性しやすい大きさ。
加えて軽量なこともあり持ち運びは楽で、カメラに装着したときも気軽に取り回せる。


総評

ニコン純正レンズとしての価格からは信じられないような性能。
軽量で取り回しがいいため気軽なスナップにも適しているし、気合いを入れた本格的な撮影に耐える描写力も持っているので幅広く使える。

画質に関する不満を感じたことがほぼ皆無なのはさすが単焦点といったところ。
ズームレンズでは大三元クラスでもなかなかこうは行かない。

このレンズと60mmマクロのコンビは画質も高く使い勝手も良く、コストパフォーマンスも優れていて楽しい組み合わせ。

満足度は100点。


他のレンズとの比較

AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED

スペック的に一見似通ったレンズだが、24mmと28mmの画角の違いはそこそこ大きいので実はけっこう使用感は異なる。
28mmは超広角としては若干物足りないと感じる一方で、屋外で広く見渡したときに意識が向く範囲と同じ広さなので使いやすさがある。

最短撮影距離がともに25cmで、広角マクロ的な使い方をする場合は28mmの方が大きく写せるため、同じ絞りで写せば28mmの方がよりボケは大きくなる。開放での最大のボケ量はF値の差にかかわらずほとんど変わらず、ボケの美しさも両者ともにハイレベル。
というわけで広角マクロとしては幾分28mmの方が使いやすい。

一方で24mmの方が強くパースが付いてより遠近感が出て迫力のある表現になると言う特性もある。
また緻密さや繊細さなど感動的な描写を持つのは24mmの方で、被写体の質感や存在感が際立つ。グレードが違うので当たり前だが。

似たようでいて実際に使ってみるとかなり性格の違ったレンズ。

AF-S NIKKOR 24mm f/1.8G ED

新しく発売されるF1.8シリーズの24mmバージョン。
同じグレードのレンズとして比較するべきはこちらになった。

発売してしばらくは価格が28mmに比較して大幅に高いが、メーカー希望小売価格はそれほど違わないのでやがて同じ価格帯に下りてくるのではなかろうか。

描写力などは評価待ちだが、F1.8シリーズにハズレはないので期待できそう。
24mmか28mmか好みの画角で選べば良い、ということになればなかなかステキだ。

Sigma 28mm F1.8 EX DG ASPHERICAL MACRO

発売時期に10年の開きがある(一昔ですよ)ということもあり純正に比べて性能では少なからず劣る。
開放では中央以外はかなり甘い。ただし大口径レンズならではのボケを活かした近接撮影には問題がなく、絞れば風景撮影にも実用的なところまでにはなる。そうした特性で問題なければ安価でコストパフォーマンスは高い。

広角マクロ的な使い方を重視するならこちらの方がいいかもしれない。最短撮影距離が20cmで被写体をより大きく写せる。ボケ味は多少癖があるようだが、癖を避けて使うことができれば美しいと言っていいようだ。

COSINA Carl Zeiss Distagon T*2/28

ペンタックス用を使ったことがある
ツァイスの色ノリとマイクロコントラストは素晴らしいが、像面湾曲がやや大きいので開放では若干周辺が甘くなる傾向のあるレンズ。APS-Cでもわずかに甘さを感じるのでフルサイズでは更に顕著かもしれない。

そういう事情もあり開放から使いやすいのは純正の28mm f/1.8Gの方かなと。
ただやはり絞った際の描写や像面湾曲を過度に気にしなければDistagonの方が格上の表現力かと思う。色ノリや緻密さなど。好みの問題かもしれないが。

MFレンズなので使い勝手では明らかに劣る。


メンテ記録

売却 2015/08

新型の24-70 f/2.8E召喚の生け贄に。

これほどのレンズを生け贄にするのだから、24-70 f/2.8Eには納得のいく性能を見せてもらわねばならない。


関連用品

フィルター

ニコンは67mm径が多くないので使い回しはしにくい。

風景撮影にも申し分ないレンズなのでPLフィルターやNDフィルターは準備しておきたい。
NDフィルターは晴天時の日中に開放を使うために必要になることもある。

Amazon ケンコー Zeta EX サーキュラーPL
Amazon ケンコー PRO1D ND4(W)

最終更新: 2015-08-07


 
Spec  
DX利用時換算 47.5mm
構成枚数 9群11枚
最小絞り F16
最短撮影距離 0.25m
最大撮影倍率 0.21倍
フィルター径 67mm
最大径 x 長さ 73mm x 80.5mm
質量 330g
絞り羽根枚数 7枚(円形絞り)
発売日 2012-05-24

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