Ai AF-S NIKKOR 300mm f/4D IF-ED

爆速のサンヨン

Good

  • 開放から単焦点ならではの高い描写力を発揮
  • 爆速のAFに加えてフォーカスリミッターまで備えている
  • 美しいボケ味
  • 接写能力が高く簡易マクロとして使うことができる
  • 300mmの望遠レンズとしての携帯性やコスト面でのバランスの良さ

Bad

  • 手ブレ補正が付いていない
  • サンヨンにしてはやや大きく重い
  • 付属の三脚座がイマイチ

コメント

Fマウントレンズで最初に手に入れた一本。
爆速のAFが頼もしい望遠レンズ。


描写の傾向

開放から十分にシャープで積極的に絞りを全開にできる性能を持っているが、時にやや柔らかい写りで甘いと感じられることもある。
一段るとシャープネスとコントラストが増して描写がキリッと引き締まるので、とにかくシャープさを狙うなら少し絞って使うと安心。

花撮りなどではこの開放の柔らかさが美しいボケ味とマッチしてなかなか素敵な雰囲気をかもし出す。と言うわけで表現の幅ととらえれば一概にマイナス要素とは言えない。ボケ味に関しては若干硬さを感じることもあるが、ほとんどのシーンで問題なく美しいボケ味を提供してくれる。

また階調や質感の表現も素晴らしく被写体の存在感がよく出るのはさすが単焦点といったところ。非常にきめの細かい描写。
間違いのない表現力を持ったレンズと言える。

逆光耐性は可もなく不可もなく。
強い光源がフレームに入るような極端な逆光ではフレアが盛大に出ることがあるが、多少の逆光ではほぼ問題ないので、特に弱いとは思わない。


使い勝手

AFが爆速で、動き物を相手にする際には非常に頼もしい。
フォーカスリミッターが付いているが、フォーカスが迷ったときに一瞬で最短から無限遠までピントリングが往復するのを見ると、そんなものは必要ないのではないかと思えるほどの速さ。

超望遠としては被写体にぐっと寄ることができるレンズで、花や昆虫などもだいぶクローズアップして写すことができるため、これ一本で撮影の幅が広がる。またそのようにマクロ的に使う際にはスムーズにMFに移行できるM/Aモード対応がうれしい。

しかし手ブレ補正が付いていないため、曇天など光量不足のシーンではどうしてもSS不足や高ISOになり目に見えて描写の甘い写真が増えがち。ゆえに晴天以外では持ち出すことを少しためらってしまうことがある。
高感度に強いカメラとの組み合わせで多少はカバーできるが、これくらいの超望遠になるとカバーしきれないケースも多々あり。

一体型のフードは便利だが、収納状態でもロックできるとなおよかった。

付属の三脚座は安定性が今ひとつで、しっかりとした雲台、三脚と組み合わせてもブレが生じやすい。SSが稼げない状況ではもちろん手持ちよりはマシであるが、三脚使ってこれは・・・というクオリティになることがしばしばあり切ない。


携帯性

他社のサンヨンと比べるとサイズが大きく重く気軽に持ち出せるサイズではないが、カメラ装着時の取り回しは良好で長時間の手持ち撮影も無理なくこなせるレベル。

三脚座をつけるとだいぶかさばるが、使わない時は外しておけるので普段は問題と感じない。


総評

携帯性、手ブレ補正が付いていないことから若干減点。
それでも満足度は100点。

超望遠の画角と高い描写力を併せ持ち、これより焦点距離やF値などのスペックが高い大砲群に比べると比較的コンパクトかつ安価。
使い勝手もコストパフォーマンスも良いサンヨンは超望遠の良心。

驚きの軽量コンパクトさに加えて念願のVRの付いた後継の新型サンヨンが出たが、描写力の面では旧型となったこのレンズも負けてはいないようだ。ゆえにまだまだ価値のあるレンズと言えるだろう。


他のレンズとの比較

AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VRII + Ai AF-S Teleconverter TC-14E II

この組み合わせはF4の280mmになるので明るさと焦点距離で見ればサンヨンに近い。
なのでサンヨンいらないんじゃないの?という疑問がちょっとわいてくる。
実際使ってみるとAF速度に関しても遜色がなく、ズーム可能な分使い勝手は良かったりする。

しかしやはり解像力など画質面ではけっこう差がある。テレコンなしの状態でも300mm f/4Dに劣っているのに、テレコン付けて勝てるわけがない。それでも等倍で見たりトリミングをしないのであれば余裕で実用の範囲だが、トリミング耐性にはかなりの差が出るのでそこをどう見るかといったところ。

とりあえずサンヨンを使うような用途ではトリミング耐性も重要なので、自分の中ではサンヨンいらね、という結論にはならない。
300mm f/4DにTC-14E IIを付ければ高い画質を保ったままF5.6の420mmになるという伸びしろの差もある。

AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR

前モデルに比べて大きな性能向上を果たしたと評判のレンズ。
ズームや手ブレ補正などの使い勝手に高い画質を兼ね備えている点が魅力的。

最新設計とは言え、さすがに画質に関しては単焦点越えとはなっておらず、その差はトリミング耐性や描写のきめの細かさに表れる。
このレンズの400mmと300mm f/4D+TC-14E II(420mm)で比較してもなお300mm f/4Dの方が良い。

しかしながら新型80-400の方も十分にシャープで、開放で取った写真の等倍鑑賞も可能なレベルの解像力。満足か不満かで言えば大満足に近い画質を持っている。

画質へのこだわりや簡易マクロ的な使い方を重視するならサンヨンだが、そうでなければ新型80-400の方が様々なシーンで使い勝手がいいだろう。特に手ブレ補正の存在は大きい。あとは価格差をどう見るか。

AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR

待ちに待った後継レンズ。
回折レンズを用いた驚きの軽量コンパクトでありながら描写力は同等とのこと。

強力なVRが付いていることもあり、価格を考えなくてよいのであれば新型の方を採りたい。
ただVRのトラブルの話もちらほら聞くようだが・・・

旧型は中古価格がこなれているのが魅力。
晴天の日中ならVRなしでも問題はないので利用シーン次第では旧型でも同等かそれ以上のパフォーマンスを発揮してくれるはず。


メンテ記録

ピントチェック 2013/04

新宿SCにてチェック。異常なし。
実は開放の甘さがピントのせいなのかなと期待していたのだが、残念ながら違ったようだ。

とは言え開放を避けたくなるほど甘くはないのでまあ良しとする。

D750でAFが動かない 2014/11

D750でだけAFが動かない。
新宿のサービスセンターでもチェックしてもらったが、サービスセンター所有のD750でも同様の症状だった。相性ということらしい。

しばらくMFで使っていると動くようになることがある。

売却 2015/08

ついに出てきたVR付きの24-70 f/2.8召喚の生け贄となった。南無。


関連用品

フィルター

77mm径は共通のレンズが多く使い回しがしやすい。

Amazon ケンコー プロND16(W)

テレコン

TC-14E IIと組み合わせて使っているがAF速度も遜色なく画質低下も気にならない。安価に長い望遠を得たければ賢い選択。
ちなみにF5.6の420mmになる。

純正テレコンはほかにTC-17EIIとTC-20EIIIがあるが、使ったことがない上に画質の許容範囲は人によってまちまちなので、これらに関しては何とも言えない。
ただ2倍テレコンを付けるとF値がF8になるので、手ブレ補正のないこのレンズの場合だいぶ使いにくくなるだろうなとは思う。

Amazon 1.4xテレコン TC-14E II

三脚

このくらいの望遠になるとパイプ径32mm以上の大型三脚が良い。
中型以下の三脚でも載せることは可能だが、十分な効果があるかどうかはまた別の話。

雲台

雲台も三脚にマッチするしっかりとしたものを。
どちらか一方が強力でも効果は半減する。

一脚

手ブレを少しでも抑えるために一脚は有効なアイテム。
シャッター速度が十分な場合でも、カメラやレンズの重量を一脚に預けられるため疲れが減る。

地面に付けないでカメラの下にぶら下げる形で使ってもスタビライザーとして機能し、ブレ低減の効果がある。

Amazon ベルボン ULTRA STICK R50

サードパーティ製の三脚座

付属の三脚座はイマイチ安定性が悪い。そこで三脚を使用したときにより良い結果が出せるようにと、安定度の高い三脚座がRRSやKirkなどから出ている。けっこういいお値段。

個人的には手持ちで使うことが圧倒的に多いのでこれらを入手するかどうかは悩ましいところだが、もしこのレンズで三脚を使うことが多ければ絶対に良い三脚座を手に入れるべき。

最終更新: 2015-08-07


 
Spec  
構成枚数 6群10枚
最小絞り F32
最短撮影距離 1.45m
最大撮影倍率 0.27倍
フィルター径 77mm
最大径 x 長さ 90mm x 222.5mm
質量 1440g
絞り羽根枚数 9枚
発売日 2000-10-26

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