Sigma 12-24mm F4.5-5.6 II DG HSM

12mmの画角が魅力的な超広角ズーム

Good

  • 12mmの画角による迫力の表現力
  • インナーズーム、インナーフォーカスのため鏡胴が伸びない
  • 純正14-24に比べて軽量コンパクト
  • フルタイムマニュアル対応

Bad

  • 周辺減光が大きい
  • 周辺が甘い(像面湾曲が激しい)
  • フィルターが使用できない
  • ゴーストが出やすい

コメント

純正14-24との比較がしてみたくて手にした一本。
画質はそこそこだが、12mmの画角が楽しいレンズ。


描写の傾向

フルサイズで広角12mmはオンリーワンの画角で、このレンズならではの遠近感で迫力のある表現を得ることができる。これがまずこのレンズの大きな価値。

画質に関しては十分にシャープでコントラストも出るので、使いこなし次第でなかなか魅力的な写りをする。が、何も考えずに使うとあまりシビアな目で見ずとも粗が目に付くことがしばしば。と言うのは像面湾曲の傾向がかなり強いため、とにかく周辺の甘さが目立つ頻度が高い。

この周辺描写については思いっきり絞る、周辺、特に四隅に甘さや流れが気になるようなものを持ってこないようにする、または超広角の味として受け入れるなどの対応を求められる。

中央がもっともシャープになるのはF8くらいで、それ以降は回折により解像力が落ちていくが、周辺まで安定させたい場合は回折を恐れずにもっと絞る必要がある。特に遠景などではF11〜F16あたりがデフォルト。同等の周辺描写を得るのに他のレンズよりも一段か二段くらい余計に絞らないといけないかんじ。

歪曲や色収差は広角端では目立つが中間域〜望遠端ではよく補正されており気になることは少ない。
周辺減光は開放ではかなり目立ち、絞ってもそこそこ感じられるなど割と大きめ。

逆光ではフレアやよく抑えられているが、ゴーストは出やすく色鮮やか。派手に出ることは少ないが、逆光どころか斜光でも出ることがある。前玉が突出している形状のせいで、光源をフレームから大きく外していても光が横からレンズに当たってしまうようだ。
この辺りは純正の14-24も五十歩百歩なので、この手のレンズの宿命と諦めるほかないのかもしれない。

ボケに関してはこのレンズに期待する人は少ないと思うが、広角にしてはまずまずで、ややうるさい傾向ではあるものの目障りと感じるほどの癖はない。

DXで使った場合は像面歪曲、歪曲、光量落ちなどの欠点が大きく改善され良好な性能となる。


使い勝手

ここまでの広角になると1mmの違いが非常に大きく、14mmや16mmとは遠近感など明らかに異なる。また巨大な被写体が目の前にあり、後ろにそれ以上引けない場合などは12mmだからこそ収まると言ったケースもあったりする。

望遠端も24mmとズームレンジ全域にわたって超広角となるので標準ズームのような扱いやすさはないが、それでもズームで画角を微調整できるズームレンズの恩恵は確かに感じられる。

DXでは換算約18mm〜36mmと超広角の画角を維持しつつ準広角まで届いてスナップにも使いやすい画角となり、周辺部が切り捨てられるのにともなって諸問題も一緒に切り捨てられるので、画質的にも気軽に使いやすくなる。
ただDX用レンズとして見ると大きく重くなってしまうのと独特の12mmの画角が失われてしまうので、FXと兼用ならともかくDXのみで使うならやや微妙。

インナーズーム、インナーフォーカスのため鏡胴が伸びないのは良い点。
またフルタイムマニュアル対応はピントの微調整をする際に重宝する。

一方で前玉がせり出しているためフィルターが使えないのはマイナスポイント。
しっかり写すにはかなり絞らないといけないため、絞りの自由度が低いのも制約と感じる。


携帯性

そこそこの大きさと重さだが、フルサイズ対応の広角ズームで12mmの画角をカバーしているレンズとして考えればまずまず。
純正の14-24と比べれば大幅に良い。


総評

光学性能は他の広角ズームに比べていささか劣るが、何よりも12mmの画角が面白いレンズ。

そこから作り出される遠近感は14mmや16mmのそれよりもかなり大きく、撮り比べると思った以上の迫力の違いに驚く。これは画質の欠点を踏まえたとしてもなお魅力的なもの。
こまけえことはいいんだよ!的な気持ちになる。(なれないときもあるが)

価格とサイズが比較的お手頃なのも良い。

満足度は90点。


関連用品

フィルター

一般的なネジ込み式のフィルターは使えないが、LeeやCokinなどの角形フィルターを使う手段はある。
かなりめんどくさそうだが。

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Cokin P499Cokin P499


他のレンズとの比較

Sigma 12-24mm F4.5-5.6 EX DG ASPHERICAL HSM

旧型。歪曲が少ない以外は新型の方がおおむね良好な性能。

AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED

画質の差は明らかなもので、シグマの12-24を大きく引き離している。開放から安定した性能を誇るため、思い通りの絞りで使いやすく、明るさが広角マクロ的な使い方や星景、夜景などに活きる。

一方で価格と携帯性と広角端の広さに関しては12-24に一歩譲る。

焦点距離はかぶるが、明るさ、価格、携帯性が大きく違うので実はクラスの違うレンズとして見るべきかもしれない。

AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR

広角端が狭くなるのと価格だけがデメリット。
それ以外では画質は高くなり、ズームレンジが広く、手ブレ補正がついていて、逆光にも強く、フィルターワークも可能と、アドバンテージは圧倒的なもの。

画質に関しては同じものを撮ると鑑賞サイズでも分かる程の解像力の差があるなど光学性能の差が大きい。が、一方でシグマの12-24の方が味のある写りをするようにも感じられる。

Tokina AT-X 16-28 F2.8 PRO FX

出目金レンズ仲間。

純正の14-24と同様に少々クラスの違うレンズだが、あえて比較するならシグマの12-24よりも解像力が高く周辺も安定している。
広角端がやや狭くなるが、望遠端が長くなることで使いやすくなっている面もあり、広角端が16mmでも足りるなら画質的にも使い勝手的にもこちらが良い選択。

魚眼レンズ

迫力を求めるなら魚眼に行くという選択もある。
焦点距離は長くても画角は同等以上に広いので。しかも携帯性は高くなり、オマケ的に持っていって必要な時だけ使うと言う運用もしやすい。

Sigma 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM

DXで使うならばこちらの方がいいだろう。
よりコンパクトに換算12mmの画角が得られる上に描写力も高く癖も少なく扱いやすい。

ペンタックス用を使ったことがあるが、こちらは何故EXが付いてないのか不思議になるほど良い。

Spec  
構成枚数 13群17枚
最小絞り F22
最短撮影距離 0.28m(18-24mm)
最大撮影倍率 0.15倍
フィルター径 -
最大径 x 長さ 87mm x 120.2mm
質量 670g
絞り羽根枚数 6枚
発売日 2011-08-26
F値の変化  
12mm 4.5
14mm 4.8
17mm 5.0
20mm 5.3
21mm 5.6
24mm 5.6

Link

製品情報
価格.com(ニコン用)
価格.com(キヤノン用)
価格.com(ソニー用)
価格.com(シグマ用)
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デジカメinfoの海外レビュー抄訳

Example

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with NIKON D800 1/160s f/16.0 ISO100 12mm

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with NIKON D800 25s f/11.0 ISO100 24mm

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with NIKON D800 1/200s f/4.5 ISO100 12mm

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with NIKON D800 1/200s f/11.0 ISO400 14mm

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with NIKON D800 1/25s f/11.0 ISO100 24mm

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with NIKON D800 1/640s f/5.6 ISO100 15mm

800_4413.jpg
with NIKON D800 1/80s f/8.0 ISO400 17mm

800_6803.jpg
with NIKON D800 1/200s f/16.0 ISO100 18mm