Tokina AT-X 17-35 F4 PRO FX

安定した解像力とボケ味の良さを併せ持つ超広角ズーム

Good

  • 使いやすいF4通し
  • 安定した解像力
  • 歪曲が少ない
  • 広角ズーム離れした良好なボケ味
  • 色ノリが良い
  • インナーズーム、インナーフォーカスのため鏡胴が伸びない
  • 防塵防滴
  • 純正に比べて安価

Bad

  • 広角側で四隅の流れが目立つ
  • 色収差が若干目立つ
  • 広角端の周辺減光が大きい
  • フィルター径が大きい(82mm)
  • M/Aモードがない

コメント

純正広角との比較をしてみたくて手にした一本。
コストパフォーマンスの良好な佳作レンズ。


描写の傾向

メリハリの効いた描写傾向で色のノリも良く、広角ズームにしてはスムーズで素敵なボケ味が特徴。
純正の16-35と比べても遜色のない解像力を持ち、メインの広角レンズとして十分な性能を持っている。

近くの物を写すには開放から問題なく使える画質を持っており、F8〜F11程度で周辺までしっかりとして遠景にも申し分なし。
ただ広角端ではかなり絞らないと四隅は顕著な流れが見られるなど甘い傾向が目立ち、隅々までしっかりと写すには回折を恐れずF16や最大絞りのF22なども使っていく必要がある。

ボケ味は広角レンズとしてはかなり良いかんじで、後ボケは申し分なくスムーズ。前ボケが少しうるさい傾向だが、それでも癖としては小さく、前ボケを活かした表現も問題ない。
広角側では周辺の流れの影響でうるさくなるものの、それを踏まえても競合する純正の広角ズームよりも明らかに勝っている。

また歪曲が少ないのも他の似たスペックの広角ズームより優れた点。広角端ではさすがにそれなりに歪曲が見られるが、それでも小さな方。それ以外の焦点域では本当に良く抑えられている。

逆光に関してはフレームの斜め上に強い光源が来ると画面が真っ白になるほど盛大なフレアが出たり、画面の隅にオレンジ色の濃いゴーストが出ることがあり、その際は角度を変えるなどの対応を強いられる。
とは言え、ほとんどのケースでクリアな画像が得られ、ゴーストもよく抑えられて目立たないので、逆光耐性はまずまず良好と言ってもいいだろう。

一方で周辺減光はやや大きく、特に広角端では絞っても目立つことがある。色収差も若干だが出やすい。


使い勝手

17mmから35mmとフルサイズ用の広角ズームとしてはポピュラーな画角をカバーしており、本格的な広角撮影から気軽なスナップまでしっかりとこなせる。

しかし広角端の流れを抑えるのにかなり絞らないといけないため、曇天や林間など撮影状況によっては使い勝手に足かせを感じることがある。

AFとMFの切り替えはピントリングを前後にスライドさせることで行うトキナーおなじみのもので、慣れるまでは少々使いにくい。慣れれば悪くはないが、それでもやはりM/Aモードに比べるとちょっとマイナス。
MF時のピントリングの動作はスムーズで、ピントの山も見やすく快適。

DXでは換算約28mm〜52mmと広角から標準域までカバーした画角となり、広角寄りの標準レンズとして使えるが、特にそういう使い方に魅力を感じるレンズではない。

フィルターワーク可能なレンズとしては最広角の部類だが、フィルター径が82mmと大きいのは他のレンズとの使い回しがしにくく残念だ。もっともサードパーティ製のレンズでは82mm径のレンズも増えてきてはいるので、そうしたレンズとの組み合わせならフィルター径の問題は特にないかもしれない。


携帯性

やや太いが長さが抑えられているのでバッグに収納しやすく、取り回しも良好。
重量はそこそこだが、フルサイズ用の広角ズームとしてはまずまず妥当なところかと。


総評

16-28がかなり良かったのでこちらも試してみたが、期待値が高すぎたせいもありやや拍子抜けの感が否めなかった。

とはいえしばらく使用してみると特に不満を感じず使い続けることのできる性能で持っており、16-35や18-35のような純正広角の代わりが十分務まる。
価格が最も安いが性能は拮抗するものを持っているので、純正にこだわりがなければお買い得のレンズ。

またボケ味の良さに関しては他のレンズよりも優れているので、ボケも重視するならファーストチョイスとしてオススメ。もちろん単焦点に敵わないので過度な期待は禁物だが、一本で幅広い表現が可能なレンズとして魅力的な選択肢になり得る。

満足度は90点。


ピント精度

ピント精度が良くないという話はちらほらと聞くので、描写に不満を覚えたらメーカーに点検に出してみるのがいいだろう。調整すれば直る可能性が高い。


他のレンズとの比較

AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR

スペックや描写傾向的に真正面から競合するレンズ。

広角端が1mm分広いのと手ブレ補正がアドバンテージ。
しかしサイズが長いのでややかさばるのが玉に瑕。

携帯性とボケ味と歪曲と価格ではトキナー17-35が勝っている。
VR不要ならコストパフォーマンスも加味してトキナー17-35の方が満足度は高いんじゃないかと思う。

なお広角端の周辺流れに関してはどちらもそんなに変わらない。

AF-S NIKKOR 18-35mm f/3.5-4.5G ED

価格が少し高いが軽量で光学性能は互角以上。とにかく軽さがすばらしいので、アウトドア派の人には価格と画角(1mm分)の差をおいてもこちらをオススメしたい。
周辺部から四隅にかけての安定度が高いので、そのあたりを重視する人にも。

一方で歪曲の少なさやボケ味などを重視するならトキナー17-35の方が良い。

また描写傾向に関しては素朴で自然な感じで、メリハリの効いたかんじのトキナー17-35とは結構違う印象。余裕があれば両方持っていても使い分けできるだろう。


メンテ記録

ピント調整 2013/06

最初使ったときに被写界深度がやけに浅いレンズだなと思ったが、子細に見ると前ピンぽっかったので調整に出した。
二週間ほどでしっかり調整されて戻ってきた。


関連用品

フィルター

フィルターサイズが82mmなので結構高く、純正レンズには77mmが多いので使い回しもしにくい。

Lightroom

色収差除去に。簡単操作でさくっと消える。
収差の中でも最も後処理での補正がしやすいものなので、個人的に色収差は多少出ても減点度合いは少ない。

まあ消しにくい出方をすることもあるので、出ないに越したことはないが。

Amazon Adobe Lightroom 5

最終更新: 2015-10-02


 
Spec  
構成枚数 12群13枚
最小絞り F22
最短撮影距離 0.28m
最大撮影倍率 0.2倍
フィルター径 82mm
最大径 x 長さ 89mm x 94.5mm
質量 600g
絞り羽根枚数 9枚
発売日 2011-09-30

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